大人の分離不安 その1 わたしの分離不安症

分離不安症といえば日本では子供やペットに関するものが多くみられますが、大人にももちろんあります。今回はわたしの場合を例にとって、大人の分離不安症について書いていこうと思います。

 

分離不安症とは、家族やパートナーといった自分にとってかけがえのない人が、何らかの形で突然自分のもとから消えてしまうのではないか、という不安が事あるごとに襲ってくる。その不安で身動きが取れなくなる(家族と離れられない、自分や家族の行動に制限がかかってしまう)というものです。

 

わたしの場合、前旦那が出勤するのに家を出た後、「彼に何かがあってもう二度と会えなくなってしまうのではないか?」という不安がせりあがってきていました。それも毎朝。そして前旦那が帰宅する時間帯になるといてもたってもいられずに駅まで見に行っていました。異常に心配してしまうという意識はあったのですが、OCDのときと同じく極度の心配性だと思っていました。そしてやはりOCDのときと同じく、カウンセラーの先生にそれは分離不安症(Separation anxiety disorder)だよと指摘されてようやく気付いたという経緯があります。夫が帰宅する時間に駅の改札まで見に行く。一見、ほほえましい新婚さんの風景のようですが、その時のわたしは不安と恐怖からそういう行動をとっていました。

 

旦那と離婚してから(そして結婚する前)は、両親が不安の対象でした。アメリカに住んでいたころは日本まで飛行機で13時間もかかるため、おいそれとは帰国できず、もっぱら電話で生存確認をしていました。あるときネット上で「何年かぶりに実家に帰ると家が更地になっていた」という記事を目にしたことがあり、半分冗談のような笑い話として掲載されていたのですが、当時のわたしにとってはものすごい恐怖でした。

 

生きていれば、家族やパートナーといった大切な人と何らかのかたちで離れることになることは誰しも経験することですが、分離不安の場合、その人が事故や病気になったり、自分のもとから突然消えてしまうかもしれないといった不安や恐怖が毎日のように湧き上がってくるというのが特徴です。

 

分離不安症は幼少期の親(特に母親)との関係性が大きく影響していると言われています。セラピーやカウンセリングによって不安の根本的なところと向き合うことで、解消していくことができます。

 

思い返してみると幼少期にも、自分でも気づかないところで分離不安症の兆候はありました。次はそのことについて書いていこうと思います。

 

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