日本とニューヨーク、有給休暇の違い
日本に帰ってきて仕事をしだして、はじめに驚いたことが病欠は有給休暇を使わなければいけないことでした。
アメリカでは法律は全米レベルでカバーされる連邦法(Federal law)と州レベルでカバーされる州法(State law)があるのですが、ニューヨークでは州法で、従業員が100人を超える会社は年に56時間(99人以下は40時間)のPaid sick leaveを付与しなければならないという義務があります。
有給休暇(Vacation)とは別にSick leave(有給病気休暇?)が付与されるので、病気や体調が悪い日などは有給休暇ではなくそちらを消化することになります。
福祉が充実しているヨーロッパではSick day leaveは国レベルで義務付けられていますが、アメリカはまだ州レベルです。
日本の会社で
え!「病気休暇」ってないんですか?
と聞いたところ
「?」という反応がかえってきました。
わたしも「?」
有給は有給じゃないのか。。。?
有給休暇はあくまでも休暇であって、
病欠に使うものじゃない
という意識があるので、
衝撃でした。
ニューヨークでは会社によっては医療機関のstatementを求められることもあるようですが、わたしがいた会社は「sick leaveをとります」と電話かメールで伝えればOKでした。
病欠であれ有給であれ、
休む理由などは聞かれません。
その人が休まなければならないと判断して休みを取っているのですから、それについて他人が詮索したり、されたりということはありません。
日本でよく耳にする、
仕事を休む=周りの人に迷惑をかけてしまう
という感覚もありません。
仕事を休まなければならないのはその人なりの理由があるし、自分も休まなければならないときはあるのでお互い様です。
業務も定時で帰宅するのが普通です。
日本のように
定時で帰宅(あるいは上司より先に帰宅)=罪悪感
という感覚はまったくありません。
終業時間後は家族や友人と過ごしたりする自分のための時間ですし、ほとんどの人はそちらの方が大事なので、定時で帰るために終業時刻の30分ぐらい前からその日の仕事を終える準備を始めるといった感じです。
ちなみに、
子供が学校を休む時も、
「家族旅行に行くから」
とか、
そんな理由はふつうにあります。
調べてみると、日本の企業でもSick leaveを取り入れている会社はいくつかあるようですね。Sick leaveがあることで有給休暇は本来の「休暇(Vacation)」の名の通り、自分や大切な人と過ごす時間に充てることができるようになります。気持ちにも余裕ができて、仕事にも前向きに取り組めるようになると思いますし、日本でもどんどん増えてくれるといいなと思っています。